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アシナガバチの巣は駆除すべき? 益虫としての側面と取る・残す判断
アシナガバチの巣は、必ず取らなければならないものではありません。取るかどうかは「生活の中で巣の近くを通るか」で決めます。
アシナガバチの巣は、人が近づかない場所にあるならそのままにしておいてよい、というのが多くの自治体の案内です。名古屋市は、誤って巣に触れてしまうような場所でないかぎり必ずしも除去する必要はないとしつつ、通路など日常生活に支障のある場所の巣は早めの除去も必要としています。取る場合、アシナガバチはスズメバチより攻撃性が弱く外皮もないため、夜間に市販のスプレーで自分で取ることも可能とされています(アシナガバチと見分けられ、アシナガバチの巣に使える表示のある製品と安全な足場があることが前提です)。ただし、自治体の無料除去や補助の対象になるかは地域で分かれ、さいたま市や武蔵野市の制度はスズメバチだけが対象です。

アシナガバチの巣の見分け方
- 形:お椀やお茶碗を逆さにしたような形、蓮の実やシャワーの噴き出し口のような形(名古屋市・横浜市・さいたま市)。
- 外皮がなく、下から六角形の巣穴がたくさん見える(スズメバチの巣は典型的には外皮に覆われ、出入り口は少ない)。
- 飛び方:後ろ脚をだらりと下げてフワフワと飛ぶ(さいたま市・名古屋市)。
- 都内でふつうに見られるのはフタモン・セグロ・コアシナガバチなど(東京都)。
ここに挙げた形は典型例で、形だけで種類を確定することはできません。巣の形で迷うときは、スズメバチとして扱ってください。スズメバチの初期巣もトックリ型の小さな巣で、見誤ることがあります(作りはじめの小さい蜂の巣)。
この節の出典:名古屋市のスズメバチの案内、横浜市のハチの案内、さいたま市のスズメバチの巣の案内、東京都のアシナガバチの解説
益虫としての側面
東京都は、アシナガバチを「肉食で、樹木や庭木の害虫駆除に活躍している益虫」と説明しています。川崎市のページには、コアシナガバチがチャドクガの幼虫を捕まえた写真が載っています。攻撃性は強くないものの、うっかり触ったり巣にいたずらしたりすると刺され、盛夏から初秋にかけては数が増えて洗濯物と一緒に取り込まれることがあるとも東京都は注意しています。
この節の出典:東京都のアシナガバチの解説、川崎市のハチの駆除方法
取る・残すの目安
| 巣の場所 | 目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 玄関・通路・物干しの近く、よく開ける窓 | 取るほうが安全 | 名古屋市:日常生活上支障のある場所は早めに除去。町田市:物干し台のそば・軒下は駆除したほうが安全 |
| 人がほとんど近づかない庭木の奥、2階の軒下など | 残して見守る選択肢 | 大阪市淀川区(2012年):手をのばしても触れることのない巣はそっとしておく |
| 巣の出入り口から概ね1m以内を日常的に通る | 駆除を検討 | 広島市:アシナガバチの危険性が高い範囲は概ね1m(不特定多数が近寄る歩道・公園の近くは概ね2m) |
| 子どもが遊ぶ場所の近く | 取る、または近づかないよう伝える | 巣への刺激が刺される原因。いたずらしないよう注意(相模原市) |
この節の出典:名古屋市のスズメバチの案内、町田市のハチの案内、大阪市淀川区のハチの案内(2012年)、広島市のハチのFAQ、相模原市のハチの暮らしの解説
自分で取る場合の要点
自分で取るのは、アシナガバチの巣だと見分けられ、手元の製品にアシナガバチの巣への使用が表示されていて、脚立を使わずに届く安全な足場がある場合に限ります。一つでも欠けるときは相談してください。手順は自治体でおおむね似ています。時間は夕方から夜(世田谷区は日没後2時間以降)、長袖・長ズボン・帽子・手袋で黒い服を避け、風上から製品の表示どおりに巣全体へ噴霧し、巣の真下には入りません。世田谷区は20秒くらい長めに噴霧し、できれば翌日にハチがいないことを確かめてから巣を取るよう案内しています。細かな段取りと中止の基準は蜂の巣を自分で駆除できる条件と手順に、スプレーの選び方はスプレーの記事にまとめました。
この節の出典:横浜市港北区のハチの案内、世田谷区のハチの巣の除去、名古屋市のスズメバチの案内
自治体の支援はアシナガバチに使えるか
| 自治体 | アシナガバチの巣の扱い |
|---|---|
| 世田谷区 | 無料除去の対象(地面から3m以内の露出した巣など条件あり)。自分で取る人にハチ専用スプレーを貸出 |
| 町田市 | 駆除用防護服の貸出はアシナガバチの巣に限る |
| 相模原市 | 市販スプレーでの駆除方法の紹介と防護服の貸出(予約制) |
| 横浜市港北区 | 高い所や茂った木の中の巣向けに、竿状の噴射器具を貸出 |
| さいたま市 | 市負担の駆除はスズメバチのみで、アシナガバチは対象外 |
| 武蔵野市 | 駆除費の助成はスズメバチのみで、アシナガバチは対象外 |
この節の出典:世田谷区のハチの巣の除去、町田市のハチの案内、相模原市のハチのFAQ、横浜市港北区のハチの案内、さいたま市のスズメバチの巣の案内、武蔵野市のハチの案内
業者に頼む場合の費用の例
アシナガバチの巣は、公表されている料金でもスズメバチより低い区分です。八王子市の協定料金(市内の協定事業者に依頼する場合、2027年4月30日まで)では、スズメバチ・ミツバチ以外のハチの巣は高さ3m未満で7,700円(巣1個・税込)、ある大手事業者の公式料金ではアシナガバチの基本料金が22,000円(税込)です。条件や地域が違えば金額も違うため、見積りで確かめてください(料金の記事)。
この節の出典:八王子市のハチの巣の駆除、ダスキンの公式料金(ハチ)
参照した情報
- 名古屋市「スズメバチ ハチに刺されないために」(2025年10月16日更新)市内のスズメバチ6種、種類別の扱い、アシナガバチの自力除去の目安、一部世帯への補助の可能性(2026-09-26確認)
- 横浜市「ハチについて」ハチの相談が集中する時期、春の初期巣の点検、スズメバチとアシナガバチの巣の比較、殺虫剤と近隣への配慮(2026-09-26確認)
- さいたま市「スズメバチの巣について」(2026年6月19日更新)住宅と敷地のスズメバチの巣を市の費用で駆除する制度の対象・対象外・手順と、刺された後に救急車を呼ぶ症状(2026-09-26確認)
- 東京都保健医療局「アシナガバチ」アシナガバチの益虫としての側面、洗濯物への紛れ込み、小さな巣のうちの除去と大型の巣は専門家へという案内(2026-09-26確認)
- 川崎市「ハチの駆除方法」(2025年9月25日更新)攻撃性の高いハチは業者へ、小さな巣の自力駆除の手順と時間帯、空になった巣は翌年使われないという案内(2026-09-26確認)
- 町田市「ハチの巣の駆除について」(2026年8月3日更新)市は駆除せず協会2団体を紹介、防護服の貸出はアシナガバチの巣に限ること、アシナガバチの自力駆除の手順(2026-09-26確認)
- 大阪市淀川区「ハチについて」(2012年11月14日掲載)ハチの1年の生態と自力駆除の注意を説明した2012年の区のページ(生態の参考として使用)(2026-09-26確認)
- 広島市「ハチの駆除について(FAQID-80281~80287)」巣の場所・種類ごとの危険性が高い範囲の目安、業者に頼む目安、自力駆除の手順と防護服の貸出(2026-09-26確認)
- 相模原市「ハチの暮らしと巣の除去方法」(令和8年6月10日更新)ハチの1年、巣を作りやすい場所、種類ごとの扱い、家や車に入ったとき・刺されたときの案内(2026-09-26確認)
- 横浜市港北区「ハチについて」区の相談窓口と協会の案内、スズメバチの巣の大きさの変化、写真での種類相談、竿状噴射器具の貸出(2026-09-26確認)
- 世田谷区「ハチの巣の除去について」(2023年7月10日更新)区の無料除去の対象(種類・高さ・露出した巣・立会い)と対象外、アシナガバチの自力除去の案内(2023年7月10日更新のページ)(2026-09-26確認)
- 相模原市FAQ「ハチの巣を駆除してほしい。」(2026年6月10日更新)市は駆除・助成をせず相談・防護服の貸出・業者団体の紹介をすること、施設ごとの連絡先(2026-09-26確認)
- 武蔵野市「ハチについて」(2026年4月6日更新)スズメバチの巣の駆除費の事後申請型の助成(課税・非課税世帯の上限、要件、申請書類と期限)と用具の貸出(2026-09-26確認)
- 八王子市「ハチの巣の駆除について」(令和8年5月1日更新)駆除用具の無料貸出、2027年4月30日までの協定料金表(巣1個・税込)と協定7社、公費駆除の対象世帯と連絡の順番(2026-09-26確認)
- ダスキン ターミニックス「ハチ駆除サービス」1社が公表するハチの巣駆除の基本料金と追加料金(税込)、戻りバチ対策、出張等の追加条件(2026-09-26確認)
公的機関・事業者の案内は更新されることがあります。手続きの前に、最新の内容をご自身でご確認ください。この記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況の診断・判定ではありません。
